鳥取砂丘
2006年 07月 04日
「ねえ、さっきから鳥取砂丘って言ってるけど
岡山行くんじゃなかったの?」
ジュンがやっと回復したみたい。
「俺もさっき目がさめたとこ」
「金さんが道を間違えたんだもん、しゃーないやんか」
と、奈良が言うが。
「奈良。おまえは横に乗ってたんやろ。どこ見とったんや」
「あれぇ山田。おまえが、
スピードメーター見とれと、言っただろうが」
「‥」
「もう、先輩がたはいつもこうなんだから」
「ばかやろ。後輩の約一名。運転すると言って
ゲロはくほど、飲んできたのはだれだ!」
で、予定変更で鳥取砂丘もいいじゃないか。で納得。
まぁ、考えてみれば、金さんの運転で天国につかなかっただけでも、
もうけもの。
道と砂丘との仕切りのフェンスがこわれてる。
真夜中だけど、ちょっと下見。
車が道から、右に入ると、すぐ砂丘。
で、急なくだりになっていて、むこうは海。
「わーい、砂丘だ!鳥取砂丘!」
むじゃきに喜んでいるが、ちょっと周りをみろ!
「どーしたの?」
「おまえら、なんにも気づかんか?」
「そういえば、タイヤの深いわだちや、板やむしろがさんらんしてる」
「きっと、ほかの車が砂にタイヤが埋まって動けなくなったんだろ」
「じゃあ、俺らの車は‥?」
「‥」
「せぃのーで、よーいしょ!」
「おい、あんまり、ふかすなよ」
「ふー、つかれた。押すのもたいへん」
「ハァ、ハァ‥。よーいしょ」
「さあ、もう少しまで来たぞ。タイヤの下に板ひいてくれ」
「雨がふってきた、もう一押し、がんばるぞ」
「だめだ。側溝がじゃまして車が道にはいれない」
と、そのとき一台の車が深夜にもかかわらず、止まってくれた。
天のたすけか。
アベックがおりてきた。
「だいじょうぶですか?どうしました?」
(あしたに つづく)
「キテレツ工房」ウェブサイトへ