金さん登場 金庫あけ(続)
2006年 06月 02日
寺谷常務がいつの間にかわれわれの傍にいた。
「細木君、何だね金庫を開けっ放しにして。」
「古田君、おまえさんも何をぼーっと突っ立ってるんだ。新入社員の‥ま‥ぇ…」
「古田君!」
怒鳴り声で、やっと古田課長が我にかえったみたい。我々も‥
金さんは、と云うと、どうしたのみんな‥みたいな顔をして…
「常務、じょおーむ」
古田課長が常務に飛んでった。
「どえりゃー事で」の名古屋弁までは聞こえたが、あとは小声で…
再び、今度は常務も加わり金さんに注目。
「いやぁー、はっ、はは」
照れ笑いしてる場合かよ、金さん。
「お、おまえさん‥」
ほら、常務が どもってる。
それが最初でした。
常務がたいへんキビシィーイ目で、それからも金さんを見るようになったのは‥
我々は一躍有名人になった金さんに手ほどきをこうた。
金さんの特技は鍵あけ。
そして日曜日、金さんと仲間四人で名古屋から名鉄電車に乗って岐阜へ。
岐阜のデパートでは金庫展が待ち受けていた。
(余談ですが‥石川県生まれの俺は、名鉄は地下鉄だと思っていた。名古屋から岐阜までずーっと地下でつながっていて。
もっとすごいことに、地下鉄の駅はデパートの地下にあると聞いていたので、地下の食品売り場あたりに駅があって‥つまり、デパートの売り場のなかを電車が走っていて踏み切りもあって
遮断機がおりたら買い物客もたいへんだなぁと、本気で思っていた。ちなみに石川県にも当時、百貨店はあったが、今も地下鉄は無い。)